肩を揉んでもまた辛くなるのはなぜ?
「肩がこるから、肩を揉む。」
多くの方が当たり前に行っていることだと思います。
マッサージを受けたり、自分で肩を揉んだりすると、その場では楽になる。
ところが、
数日すると、また肩がこっている。
「また肩がこってきたから、揉んでもらおう。」
そして、また楽になる。
でも、しばらくすると繰り返す。
このような経験はありませんか?
肩を揉むことが悪いわけではありません。
実際に、筋肉の緊張が変化することで、一時的に楽になることもあります。
では、
なぜ何度ほぐしても、肩こりは戻ってしまうのでしょうか?
当院では、その理由を考えるときに、
「肩がこっている」という結果だけを見るのではなく、「なぜ肩がこり続けているのか?」
という視点で身体を観ています。
一般的には「肩の筋肉が硬いから」
肩こりがあると、
「肩の筋肉が硬くなっていますね。」
と言われることがあります。
確かに、肩こりを感じている場所の筋肉が緊張していることは少なくありません。
そのため、
肩がこる
↓
肩の筋肉が硬い
↓
肩を揉んで柔らかくする
という考え方になります。
これは間違いではありません。
しかし、ここで一つ疑問があります。
なぜ、その筋肉は何度も硬くなるのでしょうか?
一度ほぐせば、そのまま肩こりが起こらなくなるのであれば、それで問題ありません。
でも、何度も繰り返しているのであれば、
「硬くなった筋肉」だけではなく、
筋肉を硬くしている身体の状態
にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
肩こりで特に緊張しやすい「僧帽筋」
肩こりで辛く感じる場所として、よく挙げられるのが僧帽筋です。
首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩甲骨を動かしたり、頭や首を支えたりする役割があります。
そして、この僧帽筋の運動を主に支配しているのが、
副神経(第XI脳神経)
という神経です。
「脳神経」というと、目や耳、顔などに関係する神経をイメージするかもしれません。
しかし、肩こりでよく緊張する僧帽筋にも、脳神経の一つである副神経が関わっています。
ここから見えてくるのは、
肩の筋肉は、筋肉だけで働いているわけではない
ということです。
筋肉は神経系によってコントロールされています。
だからこそ当院では、
「肩の筋肉が硬い」
という結果だけを見るのではなく、
「なぜこの筋肉に緊張が続いているのか?」
というところまで考えます。
肩を緊張させているものは?
もちろん、肩の筋肉をほぐすことで楽になることはあります。
しかし、もし肩を揉んでも何度も戻るのであれば、
筋肉を柔らかくすることと、筋肉が硬くなる理由を変えることは別の問題
かもしれません。
僧帽筋を例にすると、
肩の筋肉が緊張している
↓
その筋肉をコントロールしている神経系がある
↓
では、神経系はどのような状態なのか?
という見方ができます。
当院では、こうした考え方から、肩だけではなく頭部や神経系を含めて身体を観ることがあります。
「肩こりだから肩を揉む」
だけではなく、
「なぜ身体は肩を緊張させ続けているのか?」
を考えるのです。
姿勢が悪いから肩がこるは本当?
肩こりの原因として、
「猫背だから肩がこる」
「姿勢が悪いから首や肩に負担がかかる」
と言われることもあります。
もちろん、姿勢によって身体にかかる負担が変化することはあります。
しかし、
姿勢だけで肩こりを説明できるのでしょうか?
例えば、
猫背なのに、肩こりをほとんど感じない人もいます。
反対に、
背筋が伸びていて、一見すると姿勢が良い人でも、首や肩がいつも張っている人もいます。
同じような姿勢をしていても、肩こりがある人とない人がいる。
この違いを考えると、
「姿勢が悪い=肩こりの原因」
と単純に決めつけるだけでは説明できないことがあります。
良い姿勢でも肩がこる
「姿勢を良くしなさい。」
そう言われて、胸を張り、背筋を伸ばして頑張っている方もいます。
見た目には、とてもきれいな姿勢です。
しかし、
肩に力が入っている。
首が緊張している。
呼吸がしにくい。
その姿勢を続けると疲れる。
このような状態であれば、
見た目が良い姿勢と、身体にとって楽な姿勢は同じとは限りません。
姿勢は、単に筋肉の力で作っているものではありません。
身体はその時の疲労、呼吸、神経の状態などに合わせて、無意識に姿勢を変えています。
だから当院では、
「姿勢を正す」ことだけを目的にするのではなく、「なぜその姿勢になっているのか?」
を見ることを大切にしています。
ストレートネックだから肩こり?
「ストレートネックだから首や肩がこる。」
これもよく聞く説明です。
首のカーブが少なくなっている状態を「ストレートネック」と呼ぶことがあります。
首の形状は、身体の負担を考えるうえで一つの要素です。
しかし、
ストレートネックがある=必ず肩こりになる
わけではありません。
そして、もう一つ考えてみたいことがあります。
なぜ、その人はストレートネックになったのでしょうか?
長期間の筋肉の緊張。
身体の使い方の変化。
呼吸の変化。
疲労やストレス。
さまざまな身体の変化が積み重なった結果として、姿勢や首のカーブが変化している可能性もあります。
つまり、
「ストレートネックだから肩がこる」
という一方向だけではなく、
「首や肩を緊張させ続けている身体の状態の結果として、首の形にも変化が現れている」
という見方もできます。
これは、
原因と結果を逆に考えていないか?
ということです。
肩こりと内臓の関係
肩こりを考えるとき、肩や首、姿勢だけを見るとは限りません。
当院では、身体を観る一つの視点として、
内臓体壁反射
という考え方も大切にしています。
これは、内臓の状態と身体の筋肉の緊張には関連があるという考え方です。
当院では、その中でも肩こりで緊張しやすい僧帽筋について、脾臓との関連を見ることがあります。
脾臓は、免疫系やリンパ系とも関係する臓器です。
そのため、
「最近、風邪っぽい」
「体調を崩した後から肩が特にこる」
「疲れてくると肩や首の緊張が強くなる」
といった場合には、
肩の筋肉だけの問題として考えない
ことがあります。
もちろん、これは「肩こりの原因は脾臓である」という単純な話ではありません。
身体は一つにつながっています。
免疫・リンパ系を含めた身体の状態に負担がかかっていないか。
疲労が蓄積していないか。
回復する力が落ちていないか。
そうした全身の状態の一つとして、肩こりを観ることがあります。
肩こりにもいろいろな背景がある
ここまで見てくると、
肩こり=肩の筋肉の問題
だけではないことが分かります。
例えば、
姿勢や身体の使い方。
呼吸。
睡眠や疲労。
自律神経。
脳や神経系。
内臓や免疫・リンパ系。
こうしたさまざまな要素が重なって、結果として肩に負担が集中していることも考えられます。
同じ「肩こり」という症状でも、
その背景は一人ひとり違います。
だからこそ、
「肩がこっているから肩が悪い」
と決めつけないことが大切だと当院では考えています。
当院では肩だけを見ない
当院では、肩や首に症状があれば、もちろんその部分の状態も確認します。
しかし、それだけではありません。
- 首や背中の状態
- 胸郭や呼吸
- 姿勢や身体の使い方
- 自律神経の状態
- 睡眠や疲労
- 頭部や神経系
- 内臓の状態
- 免疫・リンパ系を含めた身体全体の状態
などを、一人ひとりの状態に合わせて考えていきます。
そして必要なところに、身体への負担が少ないソフトな施術を行います。
当院で行っているCSFプラクティス(脳脊髄液調整法)も、こうした身体全体の状態を整えるという考え方の中で行っています。
なぜ肩がこり続けるのか?
肩こりがあると、
「この肩こりを何とかしたい。」
と思うのは当然です。
でも、当院ではその先まで考えます。
肩こりを取ることだけではなく、なぜ肩こりを繰り返しているのか。
そして、
身体がなぜ肩を緊張させ続けているのか。
そこを考えていくことが、繰り返す肩こりには大切なのではないでしょうか。
肩を揉むことで一時的に楽になる。
それは、身体に変化が起こったということでもあります。
だからこそ、
「楽になったのに、なぜまた戻るのか?」
を考えてみてください。
こんな肩こりでお悩みではありませんか?
- 肩を揉んでも、すぐに戻ってしまう
- マッサージを受けても一時的にしか楽にならない
- 長年、肩こりを繰り返している
- 首から肩にかけて常に緊張している
- 猫背を指摘されるが、肩こりが改善しない
- ストレートネックと言われている
- 姿勢を良くしているのに肩がこる
- 風邪や体調不良の後から肩こりが強くなる
- 肩こりだけでなく、疲れやすさや睡眠の問題もある
- 肩だけを揉む施術では変化を感じにくくなってきた
このような場合は、
肩だけではなく、身体全体の状態から肩こりを考えてみることも一つの方法です。
最後に
肩こりがあるからといって、
「肩が悪い」
とは限りません。
猫背だからといって、
「姿勢だけが悪い」
とも限りません。
ストレートネックだからといって、
「首の形だけが原因」
とも限りません。
そして、肩の筋肉が硬いからといって、
「筋肉だけをほぐせばいい」
とも限りません。
肩こりという一つの症状の背景には、
脳や神経。
自律神経。
呼吸。
姿勢。
疲労や睡眠。
内臓。
免疫・リンパ系。
さまざまな身体の状態が関係している可能性があります。
だから当院では、
「どこが悪いのか?」だけではなく、
「なぜそこに負担が集まっているのか?」
という視点から身体を観ています。
何度ほぐしても繰り返す肩こりでお悩みでしたら、肩だけを見るのではなく、身体全体の状態を一度見直してみませんか?
肩こりをきっかけに、身体全体の状態を見直す。
それも、繰り返す肩こりと向き合う一つの方法だと当院では考えています。

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